人生紙芝居とは

人生紙芝居についてくわしく紹介します。

心が満たされ、周りとの関係も深まる
魔法のようなケアツール

  • 人生総括欲に応える

    高齢になると、自分の人生は果たしてどうだったのだろうかと、人生を総括してみたくなります。自叙伝に書き著す道もありますが、それができるのはごく一部の人です。昔語りをしながら制作する紙芝居であれば、ご自分の人生を、実際に“形”あるものとして、手に取ることができます。高齢者が抱えている「人生総括欲」に、人生紙芝居は真正面から応えます。

  • 認知症ケアの新たな可能性

    故郷の懐かしい地名や家族の名前、方言なども取り入れて、その人の記憶に働きかける人生紙芝居は、認知症の方にも有効なケアツールとして注目をされています。本取り組みは、平成二十年度日本認知症ケア学会・読売認知症ケア賞奨励賞を受賞しました。

Reason

なぜ「紙芝居」なのか?

  • 10分間で伝わる「その人の生き様」

    集中力が続く短い時間で完結し、観る人の心に届きます。

  • 絵の力で、言葉の壁を越える

    認知症のある方や子どもたちにも、絵を通して想いが伝わります。

  • みんなで同時に感動を共有できる

    本人や家族、施設の仲間や職員が一緒に観ることで感動が共有され、対話が自然に生まれます。

  • お年寄りには懐かしく、子どもには楽しく

    かつて街頭紙芝居を楽しんだ世代にとって、懐かしさを呼び起こす特別なアイテムです。また、お孫さんやひ孫さんも一緒に楽しめます。

Change

人生紙芝居がもたらす変化

  • 01 お年寄りの
    自己肯定感が上がる

    年をとると、体の動きが悪くなったり、記憶が曖昧になって家族から注意されたり、自分を情なく思うことが増えてきます。
    自己肯定感が損なわれた状態で暮らすのは、とても不安でつらいことです。そのせいで、うつ状態や認知症のさらなる進行にもつながってしまいます。
    しかし、人生紙芝居を通して、「若い時は家族の大黒柱として必死で働いた」、「会社では同僚たちにいつも頼りにされていた」、「地域のお祭りでは中心となって盛り上げた」など、改めて自分の頑張りを思い出し、誇りを取り戻すことができます。自己肯定感の回復こそが、心の安定につながります。

  • 02 認知症ケアに
    ヒントを与えてくれる

    自分のことにフォーカスされた人生紙芝居は、認知症の人にとって、心の杖になります。施設で帰宅願望を訴える認知症の人が、人生紙芝居を見ただけで内容に夢中になり、帰ることを忘れてしまったというケースがありました。攻撃的な認知症の人が、人生紙芝居の上演を通して、周りから優しい言葉をかけてもらう中で、友好的に周りと関わっていけるようになったケースもありました。認知症の人は、人生紙芝居を見せてくれる人を、「私のことをよく知っている人、味方」と受け止めてくれるので、その後の介護がとてもやりやすくなります。

  • 03 お年寄りの
    見方を変えてくれる

    子は、親の人生を知っているようでいて、実は知らないことも多いもの。
    介護職員の場合は、高齢かつ要介護状態になってからの利用者と出会うので、相手の人生の大半を知らないままに、日々の介護が始まります。
    今は年老いたその人にも、仕事をバリバリしていた時期があり、子どもの前で一生懸命に親をやっていた時や、さらにはその方自身が子どもであった時代もあったのです。もしかしたら、当時は戦争の影響で大変な世の中だったかもしれません。
    人生紙芝居の制作を通して、その人を多面的に知っていけば、一度自分の中に出来上がっていたその人像が崩れ去り、新たな見え方ができるようになります。
    相手を知り続けることは、ケアの本質であり、楽しい嬉しいことなのです。